水飲み健康法の間違い
2005年2月10日 07:58月刊 漢方の旅
最近、「水飲み健康法」といって多量に水を飲むと老廃物が排泄され血液がサラサラになって健康になると信じている人が多いようですが、逆に体調を崩している人も多いようです。
東洋医学では体内に余分な水分があると色々な症状の原因と考えます。 頭痛、浮腫、めまい、鼻炎、喘息、皮膚炎、肥満、食欲不振、下痢、神経痛、リウマチ、冷え性、自律神経失調とキリがありません。
こういう場合、皆さんは対症療法で治療をしているのですが、体の余分な水分を抜いてあげるのが基本です。
以下の薬などを使います。
- 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
- 五苓散(ごれいさん)
- 沢瀉湯(たくしゃとう)
では水分の調整はどうしているのかといえば、のどが渇き、体が「水分を入れてくれ」というシグナルを送ります。 これによって血液の濃度を一定に保ちます。 糖尿病みたいに飲んでも渇きが取れない時は、白虎湯(びゃっことう)などを使うこともあります。
人間の体はコンピューターに負けない精度で体をコントロールしています。 だから体の要求に逆らってまで健康法をやる事は逆効果です。
結石や膀胱炎もどんどん水を飲んだ方が良いと言われていますが水道管みたいに詰まったものを流すのには良いのでしょうが、人間の体は胃や腎臓を通過して排出される訳ですから生理的には首を傾げたくなります。 こういう病気になり易い人は、民間茶のウラジロガシや五淋散(ごりんさん)などを日頃から服用することが予防であり、石の出来にくい体質にさせます。