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春になると気の病

2006年4月30日 07:39月刊 漢方の旅

精神的な病を起こす季節

春は寒い冬から過ごしやすい暖かさになり、生活するには最高の季節ですが、どうしてか精神的な病を起こす季節でもあります。

五月病

一つには五月病と言われるように入学、入社といった生活が一変する時期で人間関係や仕事などのストレスが加わるのが大きいと思われます。

肝の病

もう一つは漢方でいう五臓の中の肝の病が、春には多いとされています。肝の働きの一つに気の働きを伸びやかにするとあります。分かりやすく言うとストレスを発散される役割を肝が担っています。よって、この時期にストレスを多く抱え、肝の働きが悪くなるとイライラして精神的病が多くなってくるのです。この状態が長く続くと五臓の心、胃腸、腎などに波及して精神的に落ち込んだり、食欲がなくなり疲れやすくなったり、気力の低下、不眠、動悸、高血圧、糖尿病などの症状も出てきます。漢方ではその症状が心、肝、脾、腎のどの場所に及んでいるのかを判断して漢方薬を選択します。

自律神経失調症

一般的には自律神経失調症と診断され、慢性化するほど難しい病気ですが、根本原因を治し、自律神経を自然に戻してあげるのが漢方薬です。最近、自律神経で漢方を服用する方が多くなりました。種類が多く、すぐ効果が出る薬を選択できればよいのですが、そういう時は少しずつ生薬を変えられる煎じ薬を服用すると効果がでやすいかもしれません。